・・・「腹圧性失禁」というのが、比較的35歳以上の女性に多いものでありました。そして、『溢流性失禁』というのが比較的50歳以上の男性に良く見られるもの、といわれています。
こう言い方をしますと、今回の『切迫性失禁』というのは、主としてですが、70歳以上の男女に見られるもの、ということができましょう。もう、男とか女とかという性別とはあまり関係なく、高齢化とともに見られてくるというものであります。
どういう症状が現れるのかといいますと、ちょっと変わっています。腹圧性というのはくしゃみとか重いものを持ったりとか突発的に日常的ではない力が加わったときにおきやすいといわれます。溢流性というのはじわじわっと出てくるという感じですね。排尿したあとに残ったおしっこがじわじわとあふれてくる感じ、とも言えます。
これに対して、今回の切迫性というのは、文字通り、切迫しているのです。ゆっくりと待ってなどはいられなくなります。『おしっこをしたい』とおもったらもう我慢ができなくなってしまいます。トイレに行くまで待ってなどはいられません。その結果、漏れちゃうのです。
突然、尿意を感じる、そして感じたら最後待ってはいられない。こんなパターンであります。要は、自分の意思で抑えられなくなってしまうというネックがあるのです。
■脳血管障害かも?
原因は一概には言えないようですが、脳血管障害ということもあります。
また、膀胱炎など膀胱の病気が引き金になったりすることもあります。特に、パーキンソン病などに多いとも言われます。膀胱が勝手に収縮してしまうという現象を招いたりすることがあるようなのです。
いずれにしても、多岐にわたる病気が原因として挙げられるようですので、どうしても医師の判断に仰ぐところが大といえましょう。
診断の結果、病気が原因として発見された場合には当然のことながら医師の『治療』が必要ですし、これによって治癒が期待できることでしょう。ただ、『自分では抑えられない』とはいっても、すこしでも漏れちゃうことを防止すべくそれ相応の対応努力は必要となってまいります。
■筋力アップ・環境づくり・膀胱訓練など
前回にもいいましたが、『健康で文化的な最低限の生活を・・』は人間としての最低限の権利であります。
とはいうものの、そのためには多少の努力が必要になることもあります。
最大の対応策としては『環境づくり』が挙げられます。安心睡眠や安心外出には紙おむつ等を使用すればオッケーとはいえますが、できるだけ自力排泄に心がけることは必要なことなのです。そうしないと、本当に、完全に、『尿意』や『便意』を感じることができなくなってしまうことがあるのです。
そこで一工夫です。『トイレ環境の整備』です。
いつもいる居間や寝室をトイレの近くにしましょう。
トイレにスムーズに入れるように手すりなどを付けることもよいでしょう。
足元には動き出すと点灯するセンサーライトをつけるのもよいと思います。 居間や寝室からトイレに行く道々には邪魔になるものをおかずに、段差はなくす。さらに、トイレには明かりなどの何らかの『目印』を付けておいて、必要なときにさっと行けるようにするのです。 多少、失敗しても、うまくいくようにトライしておりますと、自力排泄もスムーズになってくるかもしれません。
『膀胱訓練』という方法もあります。単純なことですが、膀胱に十分に尿が貯められるようにするための訓練であります。これは、例えば、排尿するあいだの時間を少しずつ延ばしていくということなのです。
まず、排尿して次の排尿までおおむね1時間というデータがあったとします。 その場合には、できるだけ時間を延ばす、つまり、我慢をして1時間15分にする、というわけです。 この時間を少しずつ延ばしていくということで、膀胱訓練になるというものであります。
そして、『筋力アップ』です。これはご存知の『骨盤底筋体操』のことです。肛門や膣を締めて骨盤底筋の筋力をアップする運動ですが、腹圧性失禁の項でご説明したとおりです。
この骨盤底筋を鍛えることは、本当に大切なことなのです。切迫性の場合においても、筋力で対応してするような努力をすることが望まれるというわけでしょう。単純に失禁対策だけのことではないと思います。
体力ダウンを防止して、健康体を維持していく方法のひとつといっても過言ではないでしょう。癖になるくらいにやってみていただけたらありがたいと思います。
・・・・などなど、失禁対策にもいろいろあります。
今度は、具体的な『失禁秘話』などを探してこようと思っております。ということで、まだまだ、『失禁のお話』は続きますので、よろしくお願いします。もっともっとおくが深い、深いはずなのです。
(続く)
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