山崎さんによるリハビリが再開されて久しい8月13日の日曜日のこと。
妻の昼食の介助を終えると間もなく、僕の傍に山崎さんが見えて「少しお時間いただけますか」と言った。
「実は一昨日、奥様の右手にサイコロを持たせたところ『やめて!』といって、痴漢でも見るような感じで僕を見ていました。
そういうことで、昨日からリハビリは一切やめました。
途中でやめて申し訳ございません」と力なく話された。
そのとき僕は何と応えてよいものか、ただ「妻の手を動けるようにしていただき、本当にありがとうございました」しか言えなかった。
今思えば、約1年半に渡る山崎さんの懸命なリハビリは、両手だけでなく、脳にも良い影響を与えてくれていたのではないだろうか。
その結果が、恩人である山崎さんには失礼なことですが、妻のあのような言葉になったのではと…。
いずれにしても、妻を自分の娘のように心配してくれ、05年10月頃からご自身の人生最後の仕事として情熱を傾けてやってくれたリハビリは、妻のその一言で終止符が打たれた。複雑な気持ちである。
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